遺伝型式とは、形質がどのように遺伝するかを、法則ごとに分類したものです。主に、兄弟姉妹や子孫に患者の疾患が遺伝するかどうかの判断に役立ちます。
また、遺伝を恐れる患者や家族に正しい知識を持ってもらい、具体的にどうすべきかを知ってもらうことにも活用されており、メンタルケアの面で役立っています。このメンタルケアを行う遺伝カウンセリングや、心の支えとなるための看護業務もあります。
もちろん、こうした支えになるには、看護師自身がきちんと疾患に関する知識を知っておかなければいけません。具体的には、遺伝性疾患にはどのようなものがあるのかです。
その中でも一番は、やはり癌でしょう。癌は日本人の死亡原因1位の疾患であり、遺伝子に起こった変異が子どもへ伝わることで発症する可能性があります。このメカニズムで発症した癌は、遺伝性腫瘍症候群と呼ばれています。
遺伝性腫瘍症候群で発症する代表的な癌には、大腸癌や乳癌などがあります。いずれも親から子どもへ、50パーセントの確率で遺伝するとされており、患者自身はもちろん家族へのケアもより重要です。
このように、遺伝性疾患を専門としたい看護師は、癌をはじめとした遺伝性疾患についての理解を深めておきましょう。疾患の種類や遺伝確率などを知っておくことで、正しく看護するだけでなくメンタルケアの面でも役立ちます。疾患の知識を身につけることで、どうすれば患者や家族に寄り添えるかまで考えていきましょう。